フゥルの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

小説

或ルドラゴンの冒険 3

6 足が割と悲鳴をあげてきたとき、不意にその祠は現れた。探そうと思わなければまず見つかりそうにない。大きさはお姉さんと同じくらいの高さだが、苔むして周りの風景と一体化している上、その辺の石ころと同じような感じで建てられているのだ。 「ここがそ…

或るドラゴンの冒険 2

4 なるほど、これは骨が折れそうだ。うっそうと木々が生い茂る森の手前で私は見上げた。 長老曰く、この半径数十キロにわたる広大な山のどこか一箇所に祠があり、そこが悪魔の住処へと続いているそうだ。宿で休んだとはいえ、砂漠の中から一粒の砂金を見つ…

あるドラゴンの冒険 1

私は考え事をしていた。寝床である洞穴でたった一人で。あの時食べた肉はおいしかったとか、計画通りアレが進み達成できたときの何ともいえぬ快感とかを。 突然、何者かの腕が私の胸部にめり込んだ。目の前を見ると悪魔としか形容しがたい何かが胸から腕を引…

10分でシナリオを書こう(大学受験)

中学時代、学級委員を務めるような模範生とだったアラマシ。そんな彼も高校に入ってから勉強をサボったために、今では学年順位は下から数えたほうが断然早い。高校三年に上がったものの、アラマシは志望大学をあきらめかけていた。学校や家族からの圧力も激…

小説「ステッキ」 プロット (再投稿)

あるとき学校の掃除当番じゃんけんに負けてごみ捨てに行くことになった。ごみ袋を両手にもち裏庭のゴミ捨て場に赴くと、空色のポリバケツの一群から少し外れたところに変身ステッキを発見する。一瞬、このプラスチック製のおもちゃが退屈でつらい塾のテスト…

なんとなく物語が作れるの10の質問

本やらネットやらを駆使して興味本位で作って見ました。これにひとつずつ答えれば何か物語らしきものができるはずです。できればこの質問の答えや感想、改善してほしいポイントなんかをコメントしていただけるとうれしいです! ①まず、あなたが「今いる場所…

病理解剖を見学した感想

銀色のテーブルの上に裸体で被験者が横たわっていました。 まったく体が動いていないこと、肌から赤みが抜けていること以外はまるで生きているみたいです。 親しい人の死を受け入れられない人の気持ちがほんの少しわかったような、わからないような。 そんな…

柏木君

1 投票の結果を文化祭委員から聞いたとき、わたしは驚きを隠せなかった。喜び以上になにか、得体の知れないものが私の周囲にいるような、そんな気がした。 生徒会の企画したクラス対抗美少女コンテスト。文化祭の一週間前にクラス内で一番かわいいと思った子…

いろいろ間違えたひな祭り

今週のお題「ひな祭り」 明らかに不適切な男雛と女雛と愉快な生き物たち。 「大垂髪(おすべからし)って指示があったのになんで髪垂らしているんですか!」*1 「髪飾りつけてくださいよぉ!ついでに古典式か現代式かはっきりしてください!」*2 女雛「すぴ…

もう一人のシンデレラ 下

「遅いお帰りでございますね」 スピネルは眠そうにいいました。目を真っ赤に晴らして。 おばが言いました。 「もしあんたが舞踏会に行ったなら、眠くなることなんてなかったわね。だって、きれいなお姫様が現れたのよ。この私よりも美しかったのよ。すごく礼…

もう一人のシンデレラ 上

昔々あるところに娘とたいそう美人なおばがいました。娘のお母さんは出稼ぎのために家にいませんでした。お父さんも意地悪なおばが家から追い出してしまいました。 おばさんは自分が嫌いだったお父さんの子供である娘が気に入りません。 「まあ、なんと憎た…

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一寸もない体に五分の魂

製作時間:一時間 テーマ:アリさんvs歯医者のトラウマ 歯医者のトラウマが持っているもの:右手にハサミ、左手にドリル アリの種類:クロオオアリ(屋外でよく見る大きなアリ。体長7~12mm) 一寸とは:約303mm <a href="http://thefool199485.hatenadiary.com/entry/2014/11/30/220454" data-mce-href="http://thefool199485.hatenadiary.com/entry/2014/11/30/220454">スピネルの夢想 ~お菓子の家~ - フー</a>…

泣きじゃくる子供から見た歯医者さん ~スピネルの夢想3~

わたしはお菓子の家にいたはずだった。でも、きっと罠だった。時間差で睡眠薬を効かせたのは、集団でこの家に入ってきたとき、誰かがお菓子を食べてすぐに倒れたら、ほかの人が逃げてしまうからだろう。食べてもはじめはまったく問題ないからみんな気づかな…

スピネルの夢想2~お菓子の家に入ってみた~

前回 &amp;lt;a href="http://thefool199485.hatenadiary.com/entry/2014/11/30/220454" data-mce-href="http://thefool199485.hatenadiary.com/entry/2014/11/30/220454"&amp;gt;スピネルの夢想 ~お菓子の家~ - フールの小説置き場&amp;lt;/a&amp;gt; 「…

スピネルの夢想 ~お菓子の家~

真っ暗だ。まるで黒い霧が目の前を覆いつくしているみたいだった。その奥からよくわけのわからない音が聞こえてくる。やがて黒いもやが少しずつ形を成し、色づいてゆく。 わたしははそこに立っていた。どこから来たのか、どういう目的でここにいるのかわから…

綺麗な黒髪の女の人に会ったよ

町外れの古井戸のそばに前髪で目を隠している女の人がいた。私が今いるところからちょうど十歩くらい先のところ。白いワンピースのようなものを着ていて、清楚な感じだった。いまどき珍しい。わたしも前髪で目を隠している髪型にしているから、ちょっぴり親…

一曲歌います

曲名:私は変わっている 作詞:フール Vocal:スピネル 「あなたみたいな 人は初めて」 今年定年 先生言った ほかの人と 何かが違う 何ぜだろう 考え抜いても わからないの 私の願い かなうのならば(ならば~) 神様お願い(お願い~) 私を普通にして 弁当…

オバケになればお菓子をもらえると聞いて

「ハロウィンって何?」 十月末になるといたるところでハロウィンという文字を見るようになる。なんとなくおばけが出てきたりするイメージはあるけれど、詳しいことは知らなかった。去年まではほとんど意識していなかったのに、今年は妙に気になって、おかあ…

鎧竜兵

私の目の前には広大な晴天が広がり、眼下には雲、背後には天にも届きそうな巨大な白色の城がどんと構えていた。離着陸場には同じ部隊の者が4人待機している。そのほかに整備兵が数人、鎧をはじめとする魔具の調整をしていた。 久々の出撃だった。いつもなが…

友人が見た夢(実話)

私の友人のセンセイは私と一緒にボウリングに来ていた。ユリも一緒だ。 ボーリングを2ゲーム楽しみ、3ゲーム目に突入した。三人とも腕が疲れてきて1、2ゲーム目に比べてスコアが伸びない。私はとあることを思いつき、センセイとユリにいたずらっぽく微笑…

変人の思考 会話編(例:私)

注意 以下の文章は「変人」を名乗る私の独白です。「私の場合」なので、あくまで変人の中の一例だということを頭にとめて置いてください。 変人に対して関心がない人はさよなら。 変人といわれる人の思考や疎外感、普通というものに対しての劣等感、そういっ…

私の特に変わった友人について

この話は彼女、「菖蒲 雛(あやめ ひな)」に関して私が感じたことや友達から聞いた話、何より本人の言葉を基にして情報を整理してまとめたものだ。普通は一人の人に対してこんなことはしないと思うが、当時私が彼女に対して淡い感情を抱いていたことを考え…

私の花の観察記録

奇妙な色(紫、エメラルド、ピンク、)の種を拾ったので暇つぶしに育ててみることにした。 一日目:ベランダの植木鉢に種を埋めて水を加え様子を見る。特に変化なし。 二日目:水をあげて様子を見る。地面が膨らんできた。 三日目:早くも発芽した。双葉には…

佐藤ミヨリの友人 2

3 そのうち、私の周りにもスゥーちゃんのことを知っている人が割と沢山いたということが彼女とのメールでわかりました。私がスゥーちゃんのことを実際に友達に話すと、 「知ってる知ってる!隣町の中学校出身だって言ってたよ。ミヨッちも知り合いだったん…

佐藤ミヨリの友人 1

この前あの子の祖母がお亡くなりになった。一人の人間としてもその子の教員としても悲しくて仕方がなかった。教員歴二年目にして突然の出来事だった。 今日も教卓に立ち、朝のホームルームを始める。あの子は今日も学校に来ない。周囲の生徒はその子の席にち…

観光名所 エクスカリバー

「これは何ですか?」 私は地面に不用心に刺さっている刀を指差して言った。黄金色に輝く柄が酷く場違いに思える。 「この町の観光名物の一つエクスカリバーです」 「でも、神話のエクスカリバーって剣ですよね」 いやいや、と言って私の隣にいる兎はせせら…

ルイージのお話 試し書き

五年が経った。 キノコタウンの一角いある建物へ僕は向かった。キノコの形をした建物がひしめく中で、その建物だけは縦に長い長方形だった。キノコ王国の外観を壊さないよう、キノコの柄の部分と同じ、白色のペンキで塗られている。最上階である四階だけは特…

自画像2

人の根っこはめったに変わるものではない。 幼稚園に入る前、私は公園で砂場を作っていた。5時間や6時間、一日中砂場で山を作っていた。友達と走り回るようなことはあまりせず、ただ黙々と自分の思うように砂山を作っていた。 今では砂場にこそ行かなくなっ…

ルイージとスーパーディメーン

敵はあまりにも強大だった。僕の顔をしたバケモノ。見上げても顔が見えるか見えないかくらいの巨体。 「どうだい、ルイージ。キミとボクが一体となったこの姿。スバラシイとは思わないか~い♪」 軽々しい、道化師の声がバケモノから響いてくる。忌々しい。 …