フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

異世界新生 超短編

核戦争の果て人々は祈った。こんなの嘘だ、あり得ない。争いのない世界を。

人々の強い思いは巨大な隕石を呼び寄せた。その隕石は強い思いに答える物質でできていた。

人々の記憶は消え去り、戦争はなくなった。人が嘆き、悲しみ、嫌悪した概念は人類の九割と残った人類の記憶すべてを巻き込み滅せられた。

隕石の物質は世界中ありとあらゆる生物に取り込まれた。生態系は一新され、世界は再生された。

人々は昨日まで世界がそうであったかのように生活を始めた。そして、隕石によって上書きされた新たなる理を魔法と呼んだ。

この事実を知るのは私だけだろう。

異世界転生だったらどんなによかったことか。木々に侵食された東京タワーの上で、私は思った。