欠落 オチ
「セキリュウ、例の店調べてくれた?」
「ああ。もちろんだ。」
あの店があまりにも気になったので、セキリュウに頼んで調べてもらった。当然と言えば当然の展開。
「あの店の店主は芸術家だ。なんでも、この世に一つしかない形を作ろうとしているんだとか。」
え、じゃあ、あれはなるべくしてああなったってこと?なんか色々と拍子抜けしちゃった。
「じゃあ、劣化が激しかったのは?」
「廃材を基にして作品を作っているからだそうだ。探してきて加工しているらしい。」
あ、そうなの。
「なんでも、一つしかない形を表現しようと突き詰めるとああいう不思議な形が出来上るそうだ。」
「なるほど。」
まあ、これでなにより一件落着?
「で・・・これがそのお土産なんだが・・・。」
あの店のショックよりも、その時のショックの方が一段と大きかった。