フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

高二、二日目 短編小説

前回
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「隣いい?」
「どうぞ」
 昨日と同じく胸まである黒髪をゆらしながらスピネルが歩いてきた。
「今日はおにぎり?」
「まあね。ブドウ糖の塊のようなものだから頭にすぐエネルギーがいく行くし、わずかなタイムラグもより速効性のあるチョコレートあたりで補えば……ごめん、悪い癖が」
 スピネルはクスリと笑いながら私に言った。どちらかと言うと知的に見える笑い方だ。
 「友達が言ってた。あなた、生物で学年一桁だって」
 「その代わり他の教科は中の下だけどな。それに何より、」
 「次の時間の漢字テストに役に立たない?」
 その通りだ。彼女に答える代わり、やけくそ気味におにぎりにかぶりついた。
 「エネルギーあっても暗記できなきゃ意味ないんだ。そういえば、スピネルはどうやって漢字とか暗記してるの?」
 「20問程度だったら最初に一回書いて覚えて、隠してわからない所をまた書いてってやってるけど。でも、一番効率がいいのは口頭試問」
 「友達と問題を出し会うやつか」
 確かに自分のわからない所を客観的に評価してくれるので、油断や見落しは減る。まあ、友達と相性によるけど。
 「放課後、友達の家に行って勉強したりしてるよ」
 「そして、シャーペン持ちながらおしゃべりに花を咲かせて、結局殆ど勉強できないと」
 スピネルは露骨に目を逸らした。図星らしい。少し上ずった声が口から漏れた。
 「んーん、そもそも始まりすらしないの……」
 その気持ちよくわかる、と言おうとしてやめた。その代わりもっと不味いことに思い至った。
 「え、じゃあもしかしてスピネル、今日の漢字テスト……」
 言い終わる前に、彼女の『どーにでもなれ』の笑い声が僕の声をかき消した。
 「フフフッ、フフッ!ふぅ、休み時間あと10分だよ」
 僕達は顔を見合わせた。
 「見事に勉強出来なかったな。お互い」
 スピネルは口が裂けそうな位の満面の笑みを僕に押し付けた。
 「何を言っているの?これから全部暗記するのよ?漢字三十個!執念で!」
 僕は負けじと口をつり上げる。
 「スピネルと一緒なら受かる気がする」

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人物手帳1~あなた~

クラスではあなた、お前、生物君等と呼ばれている。

性別は女々しいところもあるが一応男。

趣味は読書だが、かなり分野が偏っているな。ネットでははてなブログを開いているらしい。更新頻度は不定期。

口調は結構雑だが特徴は特にない。

髪型もちょっとぼっさりしているが、まあ普通。

どこにでもいそうな学生だが、どこにでもいそうな奴なんてそうそういないということを念頭にいれておいた方がよさそうだ。

最大の特技は生物、特に人体の構造についてのかなり詳しいとか。歩く家庭の医学がといってもいいくらいだな。よく覚えておけよ。


赤崎滝与の手帳より