フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの番外編 封印と宝石 2

「・・・。」

「・・・はぁ。」

 

「二人ともどうだった・・・にゃ?」

ウンターにうなだれて、ため息をつく僕たちにルーニャは問いかけた。

一応いやでも報告させなきゃいけないのが社長である彼女の義務だ。

 

僕たちは重い口をがんばって動かし、あらましを話した。

 

「にゃるほど。

扉の封印は予想以上。

じゃあ、待つしかないにゃ。」

 

待つ?

 

「いったい誰を待つの?」

 

スピネルの問いかけはもっともだ。

 

いきなり後ろの扉が開いた。

依頼者か?

 

「言われたものだ。

持ってきたぞ。」

おいおい、ここで登場するような役柄じゃないだろ。

 

「セキリュウ!」

僕たちは驚きの声を上げる。

ただ一人、ルーニャだけは冷静だった。

 

「ありがとにゃ。

早速見せてほしいにゃん。」

セキリュウは僕たちに挨拶してから、

ウンター奥のルーニャに何かを手渡した。

 

スピネルがルーニャの手に光るものを見てつぶやいた。

「きれい・・・。」

 

きれいに磨かれた水晶。

「封印を解くカギ、ぴかぴか石にゃ!」

 

透明な光が猫娘の手の平の中で瞬いている。

 

色々聞きたいことはやまずみだが、とりあえず

「なんでそれが『カギ』なの?」

 

僕の問いにルーニャは親切に答えてくれた。

「クリスタル、っていう単語をクリスチーヌに調べさせたのにゃ。

そしたらクリスタルには別名があって、

今はぴかぴか石って呼ばれているらしいにゃ。

で、そのぴかぴか石には何かを封印する力があったのにゃん。

だから、セキリュウにその調査をお願いしたわけ。」

 

「ずいぶんとよくできた話ね。」

スピネルが水を差した。

 

僕はまた別の質問をする。

「ところでセキリュウ、どこでそれを見つけたの?」

「キノコ城の宝物室だ。

ピーチ姫がなぜか持っていた。

本人曰く『女の子にもらった』らしいが。」

 

ピーチ姫、本当に何でも持ってるな。

スピネルは長い髪を揺らして

「これがあれば封印も解けるの?」

社長は満面の笑みで言った。

 

「もちろんにゃ!」

 

 

 

 

さて、こうして扉の前までやってきたわけだ。

「スピネル、頼むにゃ。」

 

スピネルが例の木製扉にぴかぴか石をかざす。

 

カチッ。

 

一同唖然。

あまりにもあっさりと封印は解けてしまった。

 

 

「いよいよひきこもりと会いまみえることができるにゃ。」

「私も気になる。

この世界の社会不適応者とはどんな者なのか。」

 

僕はスピネルを見つめる。

「スピネル、君は来ない方がいい。」

へ?と少女は答えた。

「危険だ。

あれだけ強固な封印をすることのできる人だ。

あまりにも怪しい。」

 

セキリュウが僕の意見に賛成しようと口を開いたとき、

どこからか聞きなれた笑い声が聞こえてきた。

「ウシャシャシャシャ!

ごきげんよう。」

 

「ほう、何の用だ?」

普通に受け答えできたのは赤毛の男だけだった。

僕を含め、ほかの三人は口をぽかんとあけていた。

 

ランペルにゃ!」

「シロスケ!」

「・・・ドンペリ!」

 

 

同じ人の名前を呼んだとき、

ここまでばらばらな回答になるのも珍しいな。

 

「ありがとう、ありがとう。」

空から舞い降りてきた布お化けは、

まるで拍手を浴びるスターのようだった。

 

「いきなり本題に入るけど、

その扉の中、入らない方がいいよ。

って言ってもどうせ入るんだろ?

いいよ、教えてやるよ、その中身。」

 

相変わらず饒舌だなぁ。

人のことを考えず会話を突っ走っている。

 

 

 

「実はその中には・・・。

 

えっと、あれだ、ひきこもりがいる、うん。

 

 

・・・そうさ!ひきこもりがいるんだよ!」

 

 

 

空気が凍りつくのを感じる。

≪コルーメン グラシアス≫を受けた気分だ。

 

「はいはい、要するに何も知らないってことにゃ~。

は~い、みにゃさ~ん、入りますよ~。

あ、ただスピネルは待機にゃ。

いざというとき、ピーチ姫の伝令になってもらうから。」

 

白お化けを無視して僕たちは扉の中に入った。

 

 

 

 

 

暇だなぁ~。

 

扉の前で立ち尽くすわたし。

 

なんか面倒な役押し付けられたな~。

 

う~ん。

 

そうだ、中の音を盗み聞きしよ!

 

 

わたしは耳を扉横の壁につけた。

扉だと開いたときに困るから。

 

 

何が聞こえるかな?

 

 

『大丈夫か!ランペル

『ぼく以上に酷い能力持っているやつ、はじめてみたよ。』

ルイージ!大丈夫にゃ!』

 

 

 

 

気付いたらわたしは『猫の手』に駆けこんでいた。

 

「みんな!緊急事態!」