フゥルの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの小説

ルイージの小説 19 第四章 対話の宝石

「またせたね。」 僕はキノピロの部屋へ帰ってきた。 「おかえりなさい!スピネルは?」 「もう少し時間がかかりそうだ。」 僕はそういってキノピロの前に座った。 「もう時間が無いけど何をしようか。」 時計は十二時に指しかかろうとしていた。 「う~ん、…

ルイージの小説 18 後編 第四章 対話の宝石

「スピネル、 このペンダントを使って何をしたのか、 あるいは、何をしようとしているのか説明してくれないか?」 リビングで立ったまま僕たちは話をしていた。 スピネルの右手には竜の牙が握られている。 「・・・この牙を中継してセキリュウと話が出来る。 さ…

ルイージの小説 18 前編 第四章 対話の宝石

8-4 「がはは。 よく来たな、マリオ。 今日こそワガハイのスーパーな拳でこなごなに砕いてやるわ! がははは!」 クッパが高らかに宣言する。 「相変わらず懲りないな!クッパ!」 マリオはそれに負ないくらい声を張る。 「・・・悪ふざけにも程があるぞ!」…

ルイージの小説 17 後編 第四章 対話の宝石

「ルイージ!久しぶり!」 キノピロは大喜びした。 スピネルは意外そうに 「・・・知り合い?」 と聞いてきた。 そういえばスピネルにはあの話をしていなかった。 僕はあの出来事について説明しようとした。 しかし、出来なかった。 なぜなら 「・・・その首に吊り…

ルイージの小説 17 前編 第四章 対話の宝石

第4章 対話の宝石 『ブラボールイルイ君! すばらしい! きみには脱帽だ! スピネルはきみに大きく傾いている!』 スピネルは本格的に「猫の手」で僕の助手として仕事にいそしむことになった。 彼女がいると不思議と仕事がはかどった。 スピネルの魔法はもち…

ルイージの小説 16 後編 第三章 幸福の宝石

「わたしのおとうさんも、お母さんも、へんな人よ。」 「おとうさん? おかあさん?」 初めてだ。 スピネルが自分の家族について語るなんて。 「普通の人が言わないようなことたくさん言うもの。 ・・・でも、誰よりもわたしを愛してくれた。 誰よりも・・・誰より…

ルイージの小説 16 前編 第三章 幸福の宝石

「・・・今日・・・書くことが沢山あるね。」 スピネルはまだ上機嫌だった。 日記を書く僕とスピネル。 一瞬静かになった。 最近、僕の日記はほとんどスピネルに関しての記録になっていた。 一日中行動を共にしているのだ。 そうなっても仕方が無い。 僕は日記を書…

ルイージの小説 15 第三章 幸福の宝石

僕たちは今円卓のテーブルに、眠っているスピネルを挟み座っている。 スピネルは「猫の手」の休憩所につくなり、 イスに座ったまま寝てしまった。 魔法は精神状態に大きく左右される。 スピネルが前にそう言っていたのを思い出した。 もしかしたら魔法を放つ…

ルイージの小説 14 後編 第三章 幸福の宝石

数メートル離れて僕と黒いリスが向かい合う。 あくまで試験だ。 僕は攻撃しない。 ただ、受けるのみ。 戸惑いの表情を隠さずに彼女は呪文を唱え始める。 心地よい旋律と共にスピネルの周りに微風が巻き起こり、 漆のように黒い体毛がわずかに揺れる。 雷 ≪ト…

ルイージの小説 14 前編 第三章 幸福の宝石

スピネルは上機嫌だった。 顔を見れば分かる。 瞳は艶やかな黒髪に隠れているが、 その口元がかすかに微笑みをたたえていた。 だからこそ、戦闘試験を受けると言ったのだろう。 スピネルは今的に向かって様々な魔法を放っている。 ここは訓練所・・・という名の…

ルイージの小説 13後編 第三章 幸福の宝石

「アタイ、そこまでして彼女のこと知り無くないわ。」 「ルーニャさん、強く言いすぎッス。」 「やりすぎじゃないのか? これじゃあ、見せしめか何かだ。」 「あんた、大丈夫かい?」 みんなルーニャにはいさめる言葉を、 スピネルには慰めの言葉を投げかけ…

ルイージの小説 13前編 第三章 幸福の宝石

クリクリマロンを三人で味わった後、 僕とスピネルは町の掃除の依頼を受けた。 範囲は町全体ではなく北部の一部だ。 勿論僕は変装している。 今回は見ているだけなのは申し訳ないと、スピネルも手伝ってくれた。 掃除をいていると彼女は時々、キノピオ達から…

ルイージの小説 12後編 第三章 幸福の宝石

≪ネガティブゾーン≫ 僕から発せられた黒い球状の空間に、ボスパックンが飲み込まれた。 ボスパックンはバランスを崩しふらふらしている。 僕はその顔に雷の宿った手をかざす。 ≪サンダーハンド≫ 背中から倒れゆくボスパックンの顔を踏み台に大きくジャンプ。…

ルイージの小説 12前編 第三章 幸福の宝石

第三章 幸福の宝石 『彼女、きみのことをどんどん好きになってきているよ。 ボク、嫉妬しちゃうなぁ。』 また、変な夢を見たような気がした。 気のせいだろうか。 昨夜のことについてお互いにもう触れなかった。 この世界にいる以上、もう関係の無い話だ。 …

ルイージの小説 11後編 第二章 孤高の宝石

決して短くない時間過ぎ去った。 先に沈黙を破ったのはスピネルだった。 「ルイージ、話があるの。」 スピネルの顔はさっきまでとは違い、 真剣で、固い決意をしているように見えた。 そんなスピネルを見ているうちに、 僕もようやく冷静さを取り戻してきた…

ルイージの小説 11前編 第二章 孤高の宝石 

いつもの様にテーブルを挟み、 向かい合う僕とスピネル。 「スピネル、魔法というのはどういうものなの?」 僕はコーヒーを口に運びながら、スピネルに尋ねる。 「・・・わたしもよく知らない。」 僕は一瞬ふき出しそうになった。 スピネルはそんな僕の様子を見…

ルイージの小説 イラスト PV&集

多少のネタばれを含みますが、気にせず見てくださって結構です。 ルイージの小説 イラスト集 イラスト集1 ルイージの小説 イラスト集2 イラスト集2 ルイージの小説 イラスト集 スピネル イラスト集 スピネル100枚

ルイージの小説 10 第二章 孤高の宝石

並木道を歩く。 俗に言われる散歩というものだ。 森の綺麗な空気を吸いながら、 日の光を浴びながら、 歩く、歩く、歩く。 これが土曜日、日曜日の昼の僕の日課だ。 「・・・ルイージ、山奥に住んでいるんだ・・・。」 ただし、 女の子と一緒に散歩するのは日課じ…

ルイージの小説 9 第二章 孤高の宝石

第2章 孤高の宝石 ふふふ、 カワイイ子だねぇ。 ルイルイ君も そう思わないかい? わけの分からない夢が 朝日によって 消し去られた。 もう夢の内容は 覚えていない。 朝。 また新しい 一日が始まる。 緊張してあまり 眠れなかった。 眠りが浅いと夢を 沢山…

ルイージの小説 8 第一章 汚された宝石

ルイージの小説 8 インターホンが鳴り響く。 スピネルは小さい体をビクッと震わせた。 「大丈夫だよ。」 僕はそうスピネルに声をかけた。 扉の前に立ち、ドアノブを捻る。 外にいたのはパタパタだった。 茶色いゴーグルに茶色いコウラ、そして茶色い鞄。 そ…

ルイージの小説 7 第一章 汚された宝石

「ところで そちたちは なにものだ?」 マリオとクリスチーヌは 一歩引いた。 「ふむ・・・ 見れば なかなかの 面がまえ どうだ わらわに つかえぬか? わらわの しもべに なれば わるいようには せぬぞ。」 ピーチ姫の姿を 借りた魔物は マリオを誘ってきた。 …

ルイージの小説 6 第一章 汚された宝石

「服は、どれがいい?」 僕はファッション雑誌を 指差しながら言った。 「・・・・・・。」 スピネルは黙々と ページをめくる。 「これと・・・これ。」 小さな、 かわいらしい声で 言った。 どうやら 望んでいたものが 見つかったらしい。 白いロングドレスと、 黒い…

ルイージの小説 5 第一章 汚された宝石

やあ。 今回は、僕が直接体験した話 ではなく、 後に、 他の人から 聞いた話なんだ。 つまり、僕が登場しない。 これを踏まえた上で 聞いて欲しい。 キノコタウンの一角に、 この道場はある。 師範、シショーが開いた道場だ。 掛け軸以外何も 置いていない。…

ルイージの小説 4 第一章 汚された宝石

僕はこの話を したくなかった。 今もしたくない。 嫌だ。 僕にとって、 とてもとてもつらい 出来事だったから。 思い出すだけで 心が悲鳴を上げる。 君が楽しめるとは、 とても思えない。 でも、 話さなきゃいけない。 この物語の 始まりであり、 結末を変え…

ルイージの小説 3 序章

僕の中の時間の流れが 極端に遅くなった。 光線がものすごく遅く見える。 だが、キノピオとの距離は 刻一刻と狭まっている。 とるべき行動はわかっている。 僕なんかの命よりも 子供の命の方が 大切に決まっている。 とっさにキノピオと光線の間に 割って入…

ルイージの小説 2 序章

圧倒されている僕にドラゴンが語りかけてきた。 若い男性の声だったが、威厳に満ちていた。 「お前がルイージか、人間。」 僕は素直に答えることにした。 周りのキノピオたちの逃げる時間を稼ぐためにも。 「ああ、僕がルイージだ。」 ドラゴンは嘘かどうか…

ルイージの小説 1 序章

こんにちは。 僕に話をしてもらいたいというのは君かい? 僕は話すのが得意じゃないから、意味が伝わらないところもあるかもしれない。 そして、今まで語られなかった話だから、 僕や兄さんのイメージを崩してしまうかもしれない。 それを少しでも嫌、と思う…