オバケになればお菓子をもらえると聞いて
「ハロウィンって何?」
十月末になるといたるところでハロウィンという文字を見るようになる。なんとなくおばけが出てきたりするイメージはあるけれど、詳しいことは知らなかった。去年まではほとんど意識していなかったのに、今年は妙に気になって、おかあさんに聞いてみた。
「十月三十一日に魔女とかお化けになっておうちにお菓子をもらいに行く行事よ。近くのおうちを訪ねて『とりっくおあとりーと』っておうちの人に言うの。そうすると、多かれ少なかれおうちの人がお菓子をくれるのよ」
「もしも、おうちの人がお菓子を用意してなかったら?」
「問答無用でいたずらするの。『とりっくおあとりー』とは翻訳すると『いたずらかおかしか』ってなるの。一種の脅迫ね」
なるほど。どれだけ恐ろしい存在になるのかがポイントなんだ。う~ん。どうしよっかな。わたしは頭をかしげながらおかあさんにお礼を言って私は部屋を後にした。
魔女は魔法が使えなきゃだめ。ゆうれいさんは割りとそこらへんにうろうろしてるし・・・・・・。そうだ!ユータイリダツして死神さんに鎌と衣だけ借りればいいんだ!これならみんな驚いてお菓子をくれるかも!
本当に魔女やお化けになってお菓子をもらいに行くのではなく、仮装して家を回るのだということを彼女が知るまであと数日。