ヒゲと宝石と二つの王国 2-2
一通り情報交換を終えた。ただ、なんか猫の手のみなさん、隠し事をしているような・・・。スピネルの過去を聞いてもあまり釈然としない答えしか返ってこないし、マリオについて聞いてもしっくりした答えが返ってこない。
まあ、いっか!きっと面白いスキャンダルでも潜んでいるんだろう。
それよりも・・・。
こっちの世界のルイージは帽子を深く被りなおしていて、帽子の陰のためにこちらからは目が見えなくなっていた。
なんか、怖いです。
「そうだ、緑のPさん、親善試合をしないかい?」
唐突に何言っちゃってんの~!
「そっちの世界にはギルドがあるんだよね。確か、戦闘も受け持つとか。猫の手も一応、国防機関の一部として機能しているから、友好のあかしとして一つ、どうだい?」
このルイージ怖いよ。なんか得体のしれないモノを持っちゃってるよ!
「にゃるほど。それは確かにいいかもしれないにゃ。
社員への鼓舞にもなるかもしれないし。」
うわ、やる気だよ、社長。
「おい、ルイージ、なんかやばくね?」
「東大の名にかけて言うよ。ヤバい。」
「・・・ルイージさすがにそれは・・・。」
一人だけ反対してくれるスピネルちゃんマジ女神。ヤベエ、後光が見える。
「そうかにゃ~。」
「そう。だって相手はギルドの人たちでしょ。
ただの会社が太刀打ちできると思っているの?」
スピネル、突っ込むところそこじゃない!
「じゃあ、ハンデつけるべきだにゃ・・・こっちに。」
ちょっと待って、戦うこと前提ですか、いや、そもそも僕、今魔力ないんですけど。
「じゃあ、向こうのルイージ一人に対して、わたしたち二人で。」
「ちょっと待って、理不尽だろ!!」
緑のP、いいぞ!そのまま突っ切れ!
「世の中・・・理不尽なことだらけにゃ。」
「いやいやいや、親善試合なのに相手に理不尽押し付けるって、逆に距離感はなれない?」
「『敵は待ってはくれぬ覚えておくといい』にゃ。」
「誰のセリフだよ!それ!」
「・・・マリオ代理。」
「代理って誰?そもそも代理って?」
「んじゃ、訓練場で待ってるから。」
「えっちょ、待って!お願いです待ってください。」
偏差値70越えが負けた~!