ルイージの小説 46 ルート2 第八章 選択の宝石
いくら攻撃しても
≪闘気≫
≪心頭滅却≫
≪サンダーハンド≫
雷
≪トリトルア≫
ディメーンは
拘束
≪ランティア≫
≪地獄突き≫
≪ファイアー掌低≫
びくともしない。
力
≪オポリメイト≫
≪オポリメイト≫
≪鉄斬光≫
≪ファイアージャンプパンチ≫
一方的な消耗戦が繰り広げられる。
ディメーンの一撃一撃は確実にわたしたちを傷つけていった。
それに対し道化師は≪コントンのラブパワー≫により傷ひとつ負っていない。
絶望の壁は何も受け付けない。
それでもわたしたちは奴に勝たなければならない。
「っく・・・。なんて防御力!」
彼が肩を上下させながら言った。
「これだけ攻撃しているのに!」
ランペルよりも強い!
「この程度かい?失望しちゃうよ・・・。」
声援があるのにもかかわらずここまで苦戦するなんて!
「さあ、それそろ君たちの命・・・いただくとするか!」
ディメーンが右人差し指で天空を指差した。
「さあ、最後のチャンスだ。
この攻撃が発動すればキミたちの負け。
『コントンのラブパワー』の破壊の力そのものをキミたちにプレゼントするよ★」
相手はたった一人なのに。
一人・・・。
独りよがり・・・。
そうだ、だからみんなが応援してくれても勝てないんだ!
勝てない理由がわかり、それをルイージに伝える。
彼は頷きと微笑みで答えてくれた。
「みんな、聞こえる!」
わたしとルイージは外に向かって呼びかけた。
『わかった。私が合図する!』
セキリュウの声が返ってきた。
よし!
彼がお礼を述べる。
「恩に着るよ!」
ルイージとわたしが攻撃態勢に入る。
ルイージが両手を腰まで引く。
わたしも魔法の詠唱に入る。
普通の攻撃は奴には通用しない。
でも!
『今だ!全員心をひとつにして声援を贈れ!』
『がんばるにゃ~!』
『うしゃしゃ、やっちゃえ!』
『がんばれー!!』
『ぶっ飛ばして差し上げて!』
『ピーチ姫をさらわれたくなければそんな奴!
倒せ!!』
『ルイージ、私を倒した力はそんなものじゃないだろう!
スピネル、心に希望を抱け!強き思いは絶望をも超える!
覚えておくといい。』
『スター、ティンク、ジーノ、ロゼッタ、
星の子たち、星の精たち!
私たちの祈りを届けて!』
≪スターフラッシュ≫
≪ピーチフラッシュ≫
天空の夜空から差し込んだ祈りの光が
道化師の絶望の壁を打ち砕いた。
「ノーーーーーーン!
これは・・・、いったいどういうことだ!
ピュアハートもないのに、一体!」
慌てる道化師にルイージが言い放つ。
「一人の力なんてそんなものさ・・・。」
かつてわたしたちもそうだった。
わたしたちは一人だった。
でも、今は!
違う!
こころ
≪クオレ≫
光を帯びた私たちの思いがディメーンを包み込んだ。
「あっ暖かい・・・!」
光を受けたディメーンの顔は穏やかだった。
すべてのしがらみから解放されて、
まるで子供のように微笑んでいた。
終わった。
「なんで、完璧な世界を創ろうとしたんだ?」
ルイージが光に消える道化師に最大の疑問を投げかけた。
ディメーンは笑いながら答えた。
「ムッフッフ。」
君はノワール伯爵を見て何も思わなかったの?
スピネルが倒れているところを見て不条理を感じなかったの?
君は兄さんが死んで悔しくなかったの?
!!!
「オ・ルヴォワール・・・!」
ディメーンは光の泡となって消え去った。
ルイージの小説
To Be Continued