フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの小説 3 序章

僕の中の時間の流れが

極端に遅くなった。

光線がものすごく遅く見える。

だが、キノピオとの距離は

刻一刻と狭まっている。

とるべき行動はわかっている。

僕なんかの命よりも

子供の命の方が

大切に決まっている。

とっさにキノピオと光線の間に

割って入り、

キノピオをかばった。

そして、

来るべき激痛に備えた。

 

しかし、

その瞬間は訪れなかった。

「ふふ、はははは。」

ドラゴンが満足そうに

笑っていた。

「自分の身を呈して

他人をかばうとは、

久しぶりに人間らしい

人間に出会った。

人間、いや、ルイージよ、

お前はわが主が望んだとおり

立派な人物だ。

お前のような人間に出会えて、

私は嬉しい。」

僕はまだ状況が

飲み込めていなかった。

キノピオも茫然としている。

僕はドラゴンに聞いた。

「何があったんだ。」

ドラゴンは笑いながら答えた。

「あの攻撃はお前を

試すためのフェイクだ。

お前の人間としての器が

どれほどのものか、

知りたかったのだ。」

僕は納得した。

この戦いそのものが

僕の人間としての器を

試すものだったのだ。

僕に多少なれど

力があることは、

最初から分かっていたのだ。

「すまなかった。

短時間でお前の器を測るには

こうするしかなかったのだ。」

そう言うと、ドラゴンは

キノピオの子供を

まっすぐ見据えた。

「キノピオの子よ。」

キノピオは状況が理解できずに

キョトンとしていた。

「強く生きろ。」

いつの間にか、キノピオの手に

小包が握られていた。

「ありがとう。」

キノピオはわけのわからぬまま

ドラゴンに対して

お礼を言った。

 

ドラゴンは次に

僕の方を向いた。

ルイージ、次に会うときは、

お前とゆっくり話がしたいものだ。」

僕は答えた。

「ああ。

でも君と戦うのは

二度と御免だよ。」

ドラゴンが答えた。

「ふふ、近々また会うだろう。

そのときは、

特製コーヒーをおごろう。

お前の口にも合うはずだ。」

ドラゴンは的確に

僕の好みを言い当てた。

思わず言い返してしまった。

「僕はコーヒーについて

結構うるさい方だぞ。」

それにしても

よほど嬉しいらしい。

口元がゆがんでいる。

ドラゴンは始めて名乗った。

「私はレッドドラゴンの中の

セキリュウ。

捻りの無い名だろう?」

そう言うと、

セキリュウは翼を広げ

羽ばたいた。

決して小さくない

風が舞った。

「また会おう、ルイージ。」

僕は

「また会う日まで。」

と、返した。

ドラゴンは飛び立った。

大空へと。

 

 

広場には

キノピオの子供と

僕以外誰もいない。

「君、

家まで送ってあげようか?」

キノピオは答えた。

「うん。でもその前に・・・。」

キノピオはセキリュウに貰った

小包を開けた。

中には紐にくくられた

赤い牙のペンダントが

入っていた。

包みの底の方には

手紙が入っていた。

『私の牙だ。

持っているだけで

元気が沸いてくる。

常に持ち歩くといい。』

洒落たアクセサリーだ、

と僕は思った。

「かっこよかったなぁ、

あのドラゴン。

ルイージ

すごくかっこよかったよ。」

キノピオはすぐにペンダントを

首にかけた。

あんな目にあったのに

もう立ち直っている。

すごいな、

僕もそんな風になりたい。

「僕の名前は、キノピロ。

よろしく。」

この笑顔を守れただけでも

十分だな。

 

 

 

 

 

 

クッパ城の大広間に

大勢のノコノコがいる。

全員黒い甲羅を

背負っていた。

正面には祭壇があり、

壁に付けられた

蝋燭のみが

光源だ。

今、

冠を付けた、

ただならぬオーラを持つ

ノコノコが

祭壇に上がった。

 

 

 

「諸君、とうとう我々の

力を見せ付けるときが来た。

3年間の厳しい訓練を

よく耐えてくれた。

私はとても嬉しい。

3年前、

君たちは

ただのノコノコに

過ぎなかった

だが、君たちは

クッパ様や、

マリオ、ルイージ

彼ら、英雄達にあこがれて

クッパ様のこの計画に

参加してくれた。

そう、クッパ帝国の初の

特殊部隊結成計画に!」

大広間が歓声に包まれる。

 

 

祭壇に立つノコノコが

手を伏せると歓声が

ぴたりと止んだ。

「この3年間、

色々なことがあった。

時には解散の危機もあった。

だが、

今、

我々は、

この場にいる。

この特殊部隊

Black Shells結成式に!」

また歓声が上がった。

「近日、

ピーチ姫をさらう。

今回はクッパ様が同行しない。

我々は試されているのだ。

だが、私は全く恐れていない。

なぜなら、私には

諸君がついているからだ!!」

「ノコカーネル様万歳!

ノコカーネル様万歳!」

「これ以降、

私の本名である

ブラックと呼べ。

それが私の

お前たちへの敬意だ!」

「はいっ!ブラック大佐!」

「いい返事だ。

今夜は思いっきり

楽しんでくれ 、以上!!」

天上付近にバブルが舞い

広間が一気に明るくなった。

 

 

 

食う者

飲む者

踊る者

笑う者

・・・私も楽しむとするか。

ブラックは

祭壇から降りた。

これ以上、

ノコブラック師匠の顔を

汚すわけにはいかない。

・・・ルイージ

次こそは勝つ。

 

 

 

 

序章 終

次回 第1章 汚された宝石

 

「セキリュウ。ルイージは?」

「あなたのお望み以上の

人間でした。」

「分かった。人間体になり、

すぐにこちらへ来い。

いま、危機的状況にある。」

「分かりました。

すぐにそちらへ向かいます。」

「転送準備は出来ている。

転送が終わり次第

スピネルを見つけ、保護し、

その世界へ転送しろ。」

≪ネオ・ダテレポ≫