フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの小説 28 第六章 お姫様の宝石

カーネルと僕はまだ間合いの外にいる。

ステップを踏みながら相手を自分のペースに飲み込もうと

必死に『場』を作っているところだ。

攻めるまでの舞台を整える。

実はこれが一番格闘技で重要だ。

相手のペースにのまれた状態で攻めてもカウンターされて終わるだけだ。

 

迂闊に攻めれば自分の身をさらすことになる。

攻撃の瞬間の予備動作によって攻撃のタイミング、

種類までも予測できてしまう。

プロになれば条件反射で防御、攻撃が瞬き一回にも満たない速さで行えるのだ。

しかも、攻撃時少なくとも四肢の一本以上は防御に使えなくなる。

 

対して相手は四肢全てを防御と攻撃に割り振ることが出来る。

しかも防御する方が攻撃するよりも動作的には速い。

圧倒的なアドバンテージだ。

 

つまり攻撃側は自分のペースに相手を引きこみ、

相手のほんのわずかな、

瞬き程度の本当にごくわずかな隙を見極め、

予備動作を一切廃し、

相手の反応速度を超える速さで攻撃しなければならない。

 

素人が観ればカーネルと僕は向かいあったまま

ピョンピョンステップを踏んでいるだけだが、

実際には壮絶な心理戦が繰り広げられている。

ありが歩くような速度でジワリ、ジワリと距離が狭まって行き、

いよいよお互いの間合いに入ろうとしていた。

 

 

この名勝負を氷像と化したノコノコたちが何も言わず見つめている。

 

時は決した。

 

カーネルが先に攻めて来た。

 

カーネルの前蹴り、ローキック、ハイキックのコンボを

 

手と足さばきで

数ミリ単位でかわし、

 

足払いを掛け、

 

床に倒れたカーネルにとどめの一撃を決めた。

 

 

カーネルの腹に深々と僕の右腕が刺さっていた。

無論、加減はしている。

「敵にまで情けを・・・。

お人よしめ・・・。」

カーネルは力尽きたように目を閉じた。

 

「・・・ひとついいことを教えてやろう。」

目を閉じたままカーネルが言った。

 

「数日前、クッパ城にプロミネンスが現れた。

今回はそのために少数で攻め込まざるを得なかった。」

「プロミネンス!」

驚きで思わず叫んでしまった。

「・・・くっ、どうも最近何かがおかしい。

お前も、用心しろ。」

 

カーネルが話し終えると同時に

スピネルの魔法が解けノコノコたちが開放された。

一斉に僕に敵意を向けて来た。

 

「大佐のかたきぃぃ!」

 

ノコカーネルがあれほどの強さだったということは

一人ひとりが武術をたしなんでいるのか?

 

そうなると・・・。

 

まずいな。

 

勝てそうにない。

 

 

≪ネガティブゾーン≫

 

僕を中心にドーム型の暗黒色の負の空間が広がった。

ノコノコ達は皆その空間に飲み込まれた。

退避しようとしてもそれを上回る速度で展開していく。

カーネルに対しても使おうと思えば使えたが

逃げの一手として温存しておいた。

 

FP消費量が凄まじい代わりに効果も凄まじい。

 

・・・驚いたな。

 

この負の空間に飲み込まれているにも関わらず、

ノコノコたちはまともに応戦して来た。

普通に戦っていたら敗れていただろう。

 

でも、兄さんでさえ動きが鈍る技だ。

今、ノコノコ達は恐ろしいほどパワーダウンしている。

僕は一人ずつ丁寧にこの手で眠らせていった。

 

 

こうして、クッパ軍の攻撃を見事、撃退したのである。

クッパ本人が来なかったのが救いだった。

ピーチ姫とスピネルは城を出た後、

異変に気付いた「猫の手」の社員に保護されていた。

パレッタが報告しにわざわざ飛んできてくれた。

攻めて来たクッパ軍は黒いノコノコ達Black Shellsのみだった。

カーネルの言ったとおりだ。

 

「まだ報告しなければならない人がいますから」

そういってパレッタは立ち去り、

僕は一人「猫の手」へと向かった。

 

 

「にゃははは、おかえり~。」

陽気に出迎えるルーニャ。

その隣でスピネルがカウンターに突っ伏したまま寝息を立てていた。

「ピーチ姫には早々に帰ってもらったにゃ。

こんなところにいたらいつまたクッパ軍に襲われるかわからにゃいから。

護衛もここから出したにゃ。

スピネルもダウンしてるし、

ルイージは早めに帰ることをお勧めするにゃ。」

「ああ。素直に帰らせてもらうよ。」

 

僕は今日の報告を簡単に済ませた。

プロミネンスがクッパ城にも現れたと聞いたとき、

ルーニャは驚きを隠せなかった。

この件については用調査、ということとなった。

つまり今のところ何もわからない、ということだ。

 

僕はもう話し合いをする元気も無かったので

無駄な話を一切省いて帰社した。

 

 

・・・。

 

 

このときの僕はまだ何も知らない。

 

 

 

僕の知らないところで大きな事件がいくつもおきていたことに。

 

 

 

あさって、セキリュウが来る。

 

 

 

*****、

最終チェックOK

 

・・・。

 

うしゃしゃしゃ!!

あさってだねぇ。

 

うしゃしゃしゃしゃ!!!

 

 

 

 

 

6章 お姫様の宝石 終

 

 

 

ルイージの小説

To Be Continued