フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの小説 8 第一章 汚された宝石

ルイージの小説 8

 

インターホンが鳴り響く。

スピネルは小さい体をビクッと震わせた。

「大丈夫だよ。」

僕はそうスピネルに声をかけた。

 

扉の前に立ち、ドアノブを捻る。

 

外にいたのはパタパタだった。

茶色いゴーグルに茶色いコウラ、そして茶色い鞄。

その中に見える大量の手紙。

パレッタだ。

手紙を運んでいる、郵便配達員のパタパタだ。

 

「やあ、パレッタ。こんにちは。

今日は誰の手紙だい?」

パレッタは礼儀正しく会釈し挨拶した。

「こんにちは、ルイージさん。

早速ですがピーチ姫からの手紙です。」

 

パレッタは鞄の中から手紙を探し出し、差し出してきた。

 

「ありがとう。」

僕は受け取った手紙を一度確認し、再びパレッタに向き直る。

 

よく見るとパレッタの後ろに大きな箱が置かれていた。

綺麗に包装されている。

 

「これも、ピーチ姫から?」

僕は一抱えもある箱を見下ろしながら言った。

パレッタが答える。

 

「はい。

これもピーチ姫からです。

それにしても、何が入っているのでしょうか?」

僕は苦笑し、答えた。

「ほんと、何が入っているんだろうね。」

一息ついたあと、パレッタは来たときのように一礼してから言った。

 

「私は次の配達に向かいます。

ルイージさん、また今度。

さようなら。」

 

 

 

あ、手紙が落ちてる。

 

数分後、大慌てでパレッタが帰ってきたのは言うまでもない。

 

 

 

僕は手紙を開き、読み始める。

それをスピネルが覗き込む。

ルイージ

彼女に必要低限の物を送るわ。

詳しいことについて話しがたいから、落ち着いたら二人でお城に来て。

 

追記

あなたが注文したロングドレス二着はその包みの中に入っています。

試着してあわなかったら送り返してください。

ピーチより』

 

 

 

「ピーチ姫、ありがとう。」

僕は思わずそう呟いた。

一方スピネルは箱の中身が気になってしょうがないらしい。

さっきからじっと包みを凝視している。

「じゃあ、あけよっか。」

 

 

僕は包装を解く。

 

 

中には綺麗に整頓された女の子用の生活用品が入っていた。

すべて新品だ。

なんだか、少し気恥ずかしくなる。

今まで、女の子用の服や下着とか、そういうものを見る機会が無かったから。

 

「とりあえず、着替えようか。」

「・・・うん。」

 

 

 

白いロングドレスを身にまとったスピネルは

 

妖精とか天使とかそういったものに見えた。

 

 

 

鏡で自分の姿を見て自分で顔を赤くするスピネルと、

もとより真っ赤な僕。

 

「かわいいよ。」

と、声をかけると

スピネルの顔が余計に赤くなった。

「あっ・・・あり・・・がと・・・う、ル・・・イー・・・ジ。」

スピネルが今にも消えそうな声で言った。

 

 

娘を溺愛する父親の気持ちが

分かったような気がする。

 

 

 

夕食を済ませ、それぞれお風呂にも入った。

あとは寝るだけだ。

僕はテーブルの上のカップにコーヒーを注いだ。

後ろではスピネルがベッドで横になっている。

ルイージは・・・寝ないの?」

スピネルが不思議そうに言った。

僕は何の下心もなしに答える。

「あと少ししたら寝るよ。」

 

この部屋にはベッドが一つしかない。

代わりの寝床など用意していないので、僕は雑魚寝をすることになる。

それを見てスピネルが罪悪感を持たないように、

スピネルよりも遅く寝て早く起きることにしたのだ。

 

しばらくして

スピネルが眠ったのを確認した。

 

なれない環境で眠れるかどうか心配だったが、

どうやら大丈夫そうだ。

僕はコーヒーを口に運ぶ。

そして考える。

 

スピネルはこれからどうなるのだろうか。

知らない場所に

たった一人。

親も友達もいない。

自分を知る人はいない。

どこまでも孤独。

そんな彼女に僕が出来ることはなんだろうか。

少しでも心の支えになってやれないだろうか。

 

僕は後ろを振り向く。

スピネルが安らかに眠っていた。

彼女は少し前まで地獄のような場所で生活してきたのだろう。

 

ちょっとしたきっかけでもしかしたら・・・。

 

そうならないためにも僕が頑張らなければ。

 

 

そういえば。

僕は道具箱の中から小さな袋を取りだした。

クリエイターからもらったものだ。

何が入っているのだろう。

 

 

僕は好奇心に身を任せ中身を見る。

 

 

『全てに裏切られたときに開けなさい。』

 

 

意味不明な言葉の書かれた小さな封筒が入っていた。

その不気味な文字以外は全くの白紙で継ぎ目すらない。

僕は袋にその封筒を戻し、

道具箱の中に再び収納する。

 

今開けたら、とてもまずいことになるぞ、と僕の本能が警告していた。

 

 

 

 

もしもし?ハロー?

ああ、ボクだ。

ランペルだよ。

後始末は順調かい?

・・・。

そっか、ならよかった。

ウシャシャシャ

・・・。

ん?

ボクが失敗するとでも?

シショーとの交渉は成功。

スキャンも完了。

 

思い通りに行き過ぎて逆に不気味だよ。

ウシャ。

・・・。

まあ、なんだい、お互いこれからガンバっていこうじゃないか。

ねえ、*****。

ウシャシャシャシャシャシャ

 

 

 

 

第1章 汚された宝石 終

 

 

 

 

おまけ

 

 

夕方。ピーチ姫からの

箱を開けて。

 

僕は包装を解く。中には綺麗に整頓された女の子用の生活用品が入っていた。

 

「とりあえず着替えようか。」

「・・・うん。」

 

 

ルイージ

これ・・・なあに?」

そういって僕に見せてきたのは・・・。

「それは、えっと・・・

胸パッドって言って・・・その

・・・胸を大きく

見せるための・・・物なんだ。

うん。」

なんか、クラクラしてきた。

なぜ、ピーチ姫はこんなものを!

冷静になれ。

こういうときは頭に素数思い浮かべるんだ。

 

割り切れない孤独な数字は僕に勇気をくれる。

1・3・5・7・11・・・あっ、2を忘れた。

 

「・・・ルイージ。」

スピネルが声をかけてきた。

声が小鳥のさえずりのように高い。

僕はスピネルの黒髪の奥を見つめる。

スピネルは恥ずかしそうに顔を背け、

自らの平らな胸に手を置いて呟いた。

「誰にも・・・言わないで。」

 

僕は目を黒白させながら答えた。

「あ・・・うん。わかった。」

 

 

ルイージの小説

To Be Continued