フゥルの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

超短編五種類

 ひたすら黒髪を求めて画廊を回ってるフールです。画廊に来る方々って皆年上でいつもドギマギしてしまいます。
 最近、スマホのゲームにはまってしまい、創作があまりできていないという......。この不器用さ、なんとかならないものか。
 何事もほどほどに!

 さて、今回は久しぶりにこちらの方で文章をあげたいと思います。


shindanmaker.com
⬆の診断メーカーを参考に書いてみました!


目次

好きなものは甘いもの


 好きなものは甘いもの。そう答える無邪気な女の子だった。彼女は求めた。より甘いもの、より甘いもの、この世で一番甘いもの。七つの島を渡ったが彼女は望む甘さは存在しなかった。八つ目の島、砂漠の王国にて彼女は熱病にうなされてしまった。熱で意識が朦朧とする中、どこからが声が聞こえた。
 彼女はその啓示に従った。その島は彼女がすむ場所からはとてつもなく遠く、果てしなき道のりだった。存在するかどうかもわからない甘さを求めて、皺の目立つ四肢を必死に動かし、海を越えとうとうその国にたどり着いた。そして、彼女は齢80にしてその植物と出会う。そしてその蜜の甘さに歓喜した。
 彼女はそれからというもの、植物の繁殖・繁栄に残りの人生をすべて捧げた。その優しい甘さは口にする者すべてを魅了する。彼女の努力はついに実ったのだ。


おっとこれは困ったこれは困るこれは困った誰しもが困るに違いないこれは困った


悠久の巻き紙

 おっとこれは困ったこれは困るこれは困った誰しもが困るに違いないこれは困った。彼の入ったトイレにはトイレットペーパーがなかった。彼は困った。だが困ったことに彼は偉大な精霊であり魔法に精通していた。
 彼は呼び出した木の悪魔を、その魔法で打ち倒すとすらすらと魔方陣書いた。たちまち悪魔は姿を変え、トイレットペーパーと化した。
 以後、そのトイレのトイレットペーパーは決して切れることはなくなったが、それを使って尻を拭くと決まって不慮の事故に合うと言う。

子どもの無邪気な声が、空に七色の橋がかかっている事を教えてくれた。


 子どもの無邪気な声が、空に七色の橋がかかっている事を教えてくれた。美しい虹は何もかも忘れさせてくれる。
 虹の赤は血の色を忘れさせ、青はあの蒼白な面を忘れさせ、黄色はあのぶよぶよとした塊を忘れさせ......。
 よし、これで今日は牛肉を食えそうだ。精肉をしているとどうも肉への食欲が落ちてたまらん


な、なんだこれは…一体どういうことなんだ。


 な、なんだこれは…一体どういうことなんだ。眼前に転がるのは生き物だったもの。どこまでも続く荒野。オレの後ろに続く幾万もの兵隊たち。肉を踏みにじり荒野を進んでいくと、村らしきものが見えた。兵隊の長らしき者が私に告げた。

「焼き払え」

 オレは拒絶した。なぜ人を殺さなければならないのだ。そして何より、その町は生まれ故郷だ。そこで思い出してしまった。先程踏んでいたあの残骸が、友人の住んでいた村だったということに。正気に戻ると、後ろにいた兵隊たちが跡形もなく消えていた。
 村から人々が出てきた。あぁ、オレを出迎えてくれるのか。
 だが、町人たちはオレに牙を剥いた。兵器としての本能でオレは迫り来る敵を殲滅してしまった。そして、自分のした行いに絶望し自らの命を断った。


ちょっとした憂さ晴らしのつもり


 ちょっとした憂さ晴らしのつもりだった。どうしてこんなことになってしまったのだろうか。本命に振られ、好きでもない女に告白されて二つ返事で承諾。何回かデートを重ねてるうちに情が移った。
 そんなとき、本命の女から「やっぱりあなたがいい」と告白されてしまった。
どうすればいいんだ。何で今ごろ心変わりするんだ。
 好きでもない恋人に相談した。どうすればいい。彼女は二つ返事で答えた。

 「あなたのしたいようにすればいい。私もやりたいようにやるから」

 次の日、意を決して本命に会いに行った。そしたら開口一番告げられた。

 「じゃあ、私たち三人で付き合いましょう」

 承諾した一週間後には同居を止めた。本命とそうでない恋人、二人が惹かれあった結果、わたしはお払い箱になったのだ。

 わたしは二人への嫉妬をナイフに込めた。