フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの番外編 封印と宝石 1

ある日、お隣さんの正体を確かめてという依頼が舞い込んだ。

 

 

「・・・っていうわけで情報はほとんどないにゃ。

『世界』とか『クリスタル』とか。

意味不明な言葉が聞こえてくるらしいにゃ。

その上、玄関にインターホンがないし、

謎の力で内側から封印されているらしくて

誰も中の人を見たことがないらしいにゃん。」

「なるほど。

その中の人を確かめればいいんだね。」

 

僕はコーヒーをすすりながらルーニャに了解を求める。

『猫の手』のいつもの風景からこの事件は幕を開けた。

 

スピネルが口を挟んできた。

「でも、市街地のど真ん中で何を封印しているの?」

「さあにゃ?

とりあえず、相当なひきこもりにゃんじゃない?」

 

とりあえず僕たちは現場へ向かった。

実物を見ない限りなんとも言えない。

 

 

 

キノコタウンの一角、一見なんでもない家。

横に二三件立ち並んでいる中で一番端の家だった。

 

キノコ型の家。

どこにも不自然な点はない。

スーパーキノコに似た配色だ。

 

 

コメントするのも恥ずかしいぐらい普通の一軒家だった。

 

とりあえず木製の扉をノックしてみる。

インターホンがないからね。

 

コンコン

 

「すいません。

『猫の手』の者なんですが、居住者の確認で来ました。」

 

反応なし。

 

何回か同じ動作を繰り返しても同じだった。

 

無作法ながらドアノブをまわす。

 

「えっ、ルイージ、いいの?」

 

スピネルの言葉にも一理あるが、

とりあえずこの扉の封印とやらを確かめたかった。

 

ガンッ。

 

鍵のかかっているドア特有の音を発した。

でも、それだけ。

 

「ドアに耳をあててみたら?

お隣さんのきいた声が聞けるかもしれないし。」

 

僕は隣のスピネルにうなずいて、

そっと耳を扉につけた。

 

・・・ん?

 

中から何か声が聞こえてくる。

 

『クリ・・・タル』

 

『・・・次元のは・・・』

 

「断片的で何を言っているのかわからない。

とりあえず、中に誰かいるみたいだ。」

 

居留守、というやつか。

 

 

「じゃあ・・・。」

黒い髪の毛を揺らして、スピネルが僕の方を見た。

 

「スピネル、何かいい案でもあるのか?」

 

彼女はにやりと笑うと言った。

「強行突破!」

 

!!

 

カーバンクルの姿になった少女は頭の宝石を光らせ魔法を放つ。

さては、居留守に腹を立てたか。

 

火炎

≪フラーマ≫

 

何発もの火球が扉に向かってたたきつけられた。

しかし、扉は焦げ跡一つなく平然とその姿を見せている。

 

≪トリトルア≫

 

この家、おかしい。

電撃を受けても傷一つ付いていない。

 

「スピネル!

隣の家に≪グラシアス≫で氷の膜を張って!」

黒いリスが全てを理解したうえで氷の盾を作った。

 

 

僕は両腕を大きく回す。

 

そして両腰に引き、一気に突き出す!

 

ルイージ ファイナル≫

 

圧倒的な火炎が僕の手から放たれた。

しかし、その扉の目の前で炎はかき消えた。

 

「まだだ!」

 

≪サンダーハンド≫

 

雷を纏った手の平を扉にかざす。

そのままの流れで腰を低くし、一気にジャンプ!

 

≪ファイアージャンプパンチ≫

 

息を切らす僕の目の前には

来た時と全く変わらない扉が座っていた。

 

 

 

 

「なんて頑丈な封印なんだ・・・。」

木製の扉に負けた。

 

何だろう、この虚無感・・・。

 

 

ルイージ、わたし、もっとまじめに魔法を習おうかな・・・。」

 

 

スピネル、今以上に強くなる必要はないと思うぞ。