フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの小説 48 第九章 希望の宝石

言葉は届かない。

 

 

 

セキリュウの牙も試してみたが反応がなかった。

 

落胆しながらタキシード姿の青年を見据える。

青年は空を見上げ、星を指差していた。

 

「綺麗な夜空だ。ああ・・・いい星空だ。

・・・・・・・・・・・・。」

 

変身

≪トランスフォーメイト≫

 

閃光とともに一瞬にしてセキリュウはドラゴンに変身した。

 

セキリュウすらわたしのことをわかってくれない。

わたしはセキリュウと戦いたいわけじゃない。

あの人に会えればそれでいい。

 

でも、赤い竜は待ってはくれない。

 

セキリュウの口に紅色の粒子が集中する。

集まった光が光球を成す。

その球をわたしに向かって思いっきり吐き出した。

 

破壊の炎

≪フラーマ エクサティウム≫

 

わたしは反射的に魔法を放った。

 

反射

≪リフレクシオ≫

 

だが、わたしの魔法は不発に終わる。

セキリュウの打ち消しの魔法だ。

さすがに一筋縄ではいかない。

すかさず次の魔法を放つ。

 

氷塔

≪トゥリス グラシアス≫

 

わたしの体を氷が包む。

セキリュウに向かってはなったのではなく自分に向かって魔法を放った。

氷の塔に光の球が触れると同時に、

大気がすさまじい勢いで氷塔に集まる。

そして膨大なエネルギーが解き放たれた。

広場を超え、周りの民家尾も打ち崩す爆発がわたしを襲う。

 

一瞬目の前が真っ白になった。

 

だが、わたしは傷一つ付かなかった。

 

 

一瞬、周囲のがれきに目をやり、

そして何事もなかったかのように竜と向き合う。

同じく竜も何事もなかったように鎮座していた。

無傷の私を見ても何も驚いていないようだった。

 

ふと、セキリュウは眼を細くした。

人を見極めるときにする癖だ。

 

しばらくしてセキリュウが重たく口を開いた。

 

「お前のその瞳は一つの目的のために磨き上げられた刀のように鋭い。

雑念を捨て、目的だけを見ている眼だ。

美しい。

麗しい魔女。」

 

そういう彼の眼は酷くうつろだった。

半分眠っているようなつかみどころのない表情だ。

 

火炎

≪フラーマ≫

 

赤い竜の不意打ちを両手ではじく。

複数の火の玉がわたしの後ろで散った。

 

「一つの目的に絞られた、その瞳よ・・・」

 

話に魔法を割り込ませる。

 

氷の三柱

≪コルーメン トリス グラシアス≫

 

炎の鎧

≪イクティム ディ フラーマ≫

 

氷の柱は巨竜を取り巻いた火炎によって相殺された。

 

 

単調な攻撃は通用しない。

 

セキリュウの実力は織り込み済みだ。

あのクリエイターが認めたのだ。

 

遠中近それぞれの距離に最適な魔法を使いこなし、

回復魔法まで備えている。

 

あらゆる状況に対応できる。

自ら動く必要がない。

『待ち』の戦法なのだ。

 

この砦をどう崩すか。

 

そもそも崩れるのか?

 

 

でも・・・

 

 

彼に会いたい。

 

 

 

そのためには、こいつを!

 

 

 

わたしは右拳を固めた。

 

光速

≪セレリタス ルクス≫

 

一気にセキリュウとの間合いを詰める。

あまりの速さにセキリュウも対応が遅れた。

 

炎の拳

≪イグニス プグノ≫

 

一揆に跳躍し、セキリュウのあごに火炎を纏った拳をぶつけた。

そのままの勢いで頭上をとる。

赤い竜は頭をあげ、口をぽかんと開いて言った。

 

「これは・・・?」

 

右手に魔力を集中。

暗闇の空から一筋の雷がわたしの手に落ちた。

それを自分の真下のセキリュウにかざす。

 

雷の手

≪マヌ トリトルア≫

 

わたしのはなった放電は竜の鱗を貫き、

体内に解き放たれ、

全身を暴れまわった。

 

私の大切な家族は声もなく崩れ落ちた。

 

 

 

ルイージの小説

To Be Continued