フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの小説 41 第八章

家に着くと彼は狂ったように彼女に応急処置を施した。

必死に。

あまりにも献身的だった。

まるで死のふちにいる親友を助けるかのようだった。

 

数時間、彼は休まず延々と治療を続けた。

 

「助かってくれ!」

彼は少女に呼びかける。

答えが帰ってくるかもわからないのに。

 

服も着せ、一通りやるべきことが終わった。

 

しかし、今度はいつ目覚めてもいいようにずっと傍で看病していた。

わたしはこんな人がこの世に存在することをありがたく思った。

 

感謝した。

 

彼女が目覚めた。

ベッドから起き、

おぼつかない足取りで部屋の隅へ行き、

体を丸め震えだした。

「いやっ・・・いっいや。

うっ・・・もう・・・いや・・・。

こ・・・ないで。

みんな・・・い・・・や・・・。

わたし・・・し・・・ぬ・・・。」

 

あの時、

わたしが本当に舌を噛み切り死んでいたらどうなっていたのだろう。

 

ここから先は覚えている。

何もかも。

連続写真のように。

 

「僕が守ってやる!

君を傷つけるものから僕が守る。

たとえ、君自身であっても。

僕は君に酷いことはしない。

触れもしない。

でも・・・、君を守る!

僕が君の・・・居場所になってやる!」

 

居場所が欲しかった。

わたしを優しく包み込んでくれるような、そんな居場所が。

だからわたしはこのとき、

始めて彼の与えてくれた食べ物を口にした。

 

重湯だった。

おいしかった。

 

お母さんには悪いけど、

今まで食べたものの中で一番おいしいかった。

 

 

僕の名前はルイージ

・・・君の・・・名前は?

 

 

 

・・・・・・スピネル。

 

 

わたしはまだ知らなかった。

 

この選択が全てを変えたのだと。

 

 

 

ルイージの小説

To Be Continued