フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの小説 第七章 エピローグ

第七章

エピローグ

 

 

 

「おはよう、スピネル。」

彼の声でわたしは目覚めた。

 

いつもと変わらない景色。

上半身を起こしてあたりを見回す。

 

彼とわたしの家。

 

憩いの場。

 

ベッドの上。

 

「あれ、わたし・・・。」

彼は朝食の用意をしながらわたしに応えた。

「君は二日間、眠っていたんだ。

シロスケとの戦いで魔法をたくさん使ったせいで

魔力も精神も限界に達したんだ。」

「そっか。」

 

あまり、覚えていない。

バケモノと会ったところまでは覚えているけど

それ以降は記憶がぼやけていた。

 

「その分だと、覚えていないんだね。」

彼の気の利いた言葉にわたしは頷く。

 

「君が倒したんだ。」

「え?」

 

わたしが?

 

「僕がやられそうになった時、君がとどめを刺したんだ。

僕の代わりにね。」

なんとなく、そんな気がした。

 

「そんなことより朝ご飯を食べよう。

お腹がすいてたら頭も回らないよ。」

 

わたしはベッドから降りて、

いつものイスに腰を下ろす。

 

「ありがとう、スピネル。

君がいなかったら勝てなかった。」

 

わたしは首を振った。

ルイージが頑張ったお陰だよ。

覚えてないけどそんな気がする。」

彼は笑って答えた。

「スピネルは、優しいね。」

わたしもルイージにほほ笑んだ。

「ありがとう。」

 

窓から溢れて出る朝日が眩しい。

なにはともあれ事件は解決した。

 

「セキリュウは用事があるから先に帰っちゃった。

 

『すまない。

また数日後にそちらへ向かう。

少し待っていてくれ。』

 

・・・セキリュウからの伝言だ。」

 

「よかった。」

彼は首を少し傾げた。

わたしは話を続ける。

「セキリュウが無事で。

何かあったらどうしようって、思っていたから。」

彼は頷くと、

「大丈夫。

僕よりも撃たれ強いセキリュウだ。

そういえば、スピネル。」

 

いきなり彼が話を切り替えた。

「なあに?」

今度はわたしが首をかしげて応答する。

「これ。」

 

彼は明らかにプレゼントとわかる箱を差し出してきた。

それなりに大きい。

「お見舞いの品。

みんなからだ。」

彼の目を一瞥してわたしはリボンを解き、

中身を見た。

 

色々なものが入っていた。

 

 

『ルビーの原石だ。

これを食べて体を癒しなさい。

セキリュウ』

 

『社員証を作っておいたのにゃ。

つまらないものだけど受け取ってにゃん。

ルーニャ』

 

『早く元気になって、また遊ぼうね。

これ、ルイージの人形。

プレゼントだよ!

キノピロ』

 

『この間はありがとうございます。

今後もご迷惑をおかけするかもしれませんが、

どうか、

よろしくお願いします。

キノピラ』

 

『ゆっくり休んでお城にまたいらっしゃい。

いつでも待っているわ。

これ、つまらないものだけど・・・。

ピーチ』

 

『敵に塩を送るとはこのことだな。

・・・元気になれよ。

ブラック(ノコカーネル)』

 

『お前さんのお陰で頭が冷えましたわ。

今ではちゃんと働いてまっせ。

ホントだかんな!

ゼニノコー』

 

『申し訳程度ですが、手紙の速達券を同封します。

あなたがお元気になることを心より祈っています。

パレッタ』

 

この他にさらに、

「猫の手」の仲間や今まで助けた人たちからの

手紙や贈り物が同封されていた。

 

この世界に来てこんなにいっぱい人と接していたんだ・・・。

わたしはいつの間にか多くの人と友達になっていた。

もう、一人じゃない。

 

「これは、僕からだ。」

彼がわたしにくれたものは・・・。

 

 

「偶然手に入ったものさ。

これぐらいしかプレゼントできるものが無くて・・・。」

 

 

手渡されたものは帽子だった。

 

彼とおそろいの緑色の帽子。

イニシャルの「S」のエンブレムが帽子の中央に栄えていた。

 

 

喜びが胸のそこからこみ上げてきた。

彼がわたしを完全に認めてくれた。

みんなもわたしを認めてくれた。

「フッ・・・フッ・・・フッ」

彼とおそろいの帽子。

一緒。

同じ。

明日から帽子をかぶって外に出かけよう。

 

 

 

 

 

・・・はぁ・・・。ぼくはどうすればいいんだ。

 

今していることは正しいのだろうか。

 

何が正しくて何が間違っているのか。

 

どうすれば正解なのか。

 

わからない。

 

 

 

スピネル・・・。きみはルイージのこと・・・。

 

 

 

第七章

宝石がために鐘は鳴る