フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの小説 25 前編 第五章 激闘の宝石

 

『よかったじゃないか!

ルイルイ君!

これでスピネルの親から正式に付き合うことを認められたようなものだ。

告白まであと少しだよ!★』

 

 

 

病院のベッドで目を覚ます。

目の前に見えるのは昨日と変わらぬ天井。

スピネルは隣のベッドにはいなかった。

 

おかしい。

 

体がやけに軽い。

 

差し支えなく動く。

 

痛くない。

 

何事かと思い全身をくまなく見てみると、見事に傷が治っていた。

 

「・・・おはよう、ルイージ。」

僕は反射的に

「おはよう、ルビー。」

と返していた。

スピネルが不思議そうに僕を見つめた。

「・・・なんでおかあさんの名前を知っているの?」

「あ、ゴメン。」

スピネルの黒髪が不気味に揺れた。

「・・・お母さんと何をしたのっ!」

おい、ちょっと待て!

何か勘違いしてないか!

「スピネル!!誤解だ!!」

 

 

 

僕は昨日の夢の中の出来事を話した。

「・・・そっか。

・・・実はわたしにも来てくれた。」

ふう、誤解は解けたらしい。

 

スピネルはスピネルでルビーと話をしたらしい。

僕はその内容に触れる気はなかった。

「そっか。

夢の中とはいえ、おかあさんに会えてよかったね。」

僕の言葉でスピネルは笑顔になった。

「フッ・・・フッ・・・フッ。」

僕は昨日のルビーの笑い方を思い出し、

「笑い方、ルビーにそっくりだね。」

とコメントした。

「・・・物心ついたときにはこの笑い方になっていた。」

ずっとこの笑い方だったんだ。

 

「そういえば、僕の体の傷を治してくれたのはスピネル?」

彼女は首を横に振り、

「おかあさんがわたしを通して生命力を上げる魔法をかけたの。」

粋な計らいだ。

「今度会ったらお礼を言わなきゃね。」

 

 

「ローヤルキノコZでも食べたんですかっ!」

病院の人たちは僕たちの圧倒的な傷の回復速度に驚いたけど、

退院を許してくれた。

 

とりあえず早すぎる退院を報告しに猫の手へ向かった。

 

 

「・・・退院しました。」

ルーニャはポカンと口を開けたまま暫く突っ立っていた。

そして

「早すぎるにゃ!」

と病院の人たちと同じツッコミを僕たちに浴びせた。

騒ぎに気づいた他の仲間たちも一階に降りてきて、

もみくちゃになりながら退院を祝われた。

 

その後、いつもどおりカウンターにて

僕とルーニャとスピネルのミーティングが開かれた。

僕は相変わらず缶コーヒーを飲む。

 

「とりあえず、ドッスンボルケーノの調査報告から。

 

・・・。

 

特に無し。」

 

そして噴出す。

「ゴホッゲホッ!」

「大丈夫にゃ?

まだどこか痛むにゃ?」

「大丈夫。」

 

スピネルがクスリと一瞬笑ったのを、僕は見逃さなかった。

 

「まあ、何も無かったんならそれに越したことはないよ。

あ、そうだ、明日休暇をお願いできるかい?」

ルーニャはにゃはは、と笑いながら

「あなたたちはあのプロミネンスをたった二人で倒したのにゃ。

今週一週間休んでもいいにゃん。

もちろん給料もしっかり払うにゃ。」

僕は待ったをかける。

「それは長すぎだよ。

体がなまっちゃうし・・・。」

 

それにしても、とルーニャが話題を切り替える。

「どうして休暇が欲しいなんて言ったのにゃ。

普段は風邪を引いても死にそうになっても、職場に来るぐらいにゃのに。」

スピネルがひょっこり答えた。

「・・・わたしの親戚がルイージの家に来るの。

・・・だから、家の迎え入れる準備と、ピーチ姫に報告するために休暇が欲しいの。」

なるほどにゃ、とルーニャは納得していた。

「あれ?

ピーチ姫に報告しなくちゃいけないほどのすごいお客さんということにゃ?

どんにゃ人?」

その質問に対して実に正直にスピネルは答えた。

「・・・この前新聞に載っていたドラゴン。」

ルーニャは黙ってしまった。

「ルーニャ、大丈夫かい?」

僕の問いかけに対し彼女は慌てて答えた。

「あのドラゴンにゃ!

ルイージを試すとか言ってた、あのドラゴン!」

 

あの事件は世間の話題を一時期完全に支配した。

新聞でも取り上げられ、セキリュウはすでに有名人になっていた。

 

「ただルイージを試すとだけ言って、

その理由、目的、どこから来たのか、

全部なぞだったあの竜がスピネルの・・・親戚にゃあ!」

僕はルーニャの頭の上に手を置き、

「驚きすぎ。」

と彼女を制す。

その一言で彼女はようやく我を取り戻した。

「前、話たとき言ってくれればよかったのににゃ~。」

 

あのセキリュウの試練のあと、僕はルーニャに簡単な報告だけしておいた。

その時点ではスピネルとまだ会っていなかったために情報が少なく、

至極あいまいな報告となっていた。

 

ふと、あることに思い当たった。

「ごめん、ルーニャ。

少しの間スピネルと二人で話をさせてくれないか?」

頭にハテナマークを浮かべながらもルーニャは了解して、

二階へと階段を上っていった。

 

 

ルイージの小説

To Be Continued