フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの小説 22 第五章 激闘の宝石

とりあえずどうするかを考えよう。

 

プロミネンスは実は一匹ではなかった。

 

僕もスピネルも戦うだけの力は残されていない。

出入り口であるトンネルへ続く道は、さっきの戦いで崩壊した。

つまり、僕たちのいる足場とトンネルの間に、

溶岩が立ちふさがっているということだ。

 

『スーパージャンプ台』を使おうにも踏み込むだけの力は残されていない。

退路は塞がれた。

隠れるにも円形の舞台のようなこの足場に隠れる場所は無い。

 

目の前のプロミネンスが僕たちに気づいた。

僕たちに対して機械が軋むような独特の咆哮を放つ。

 

ああ、そうだ。

攻撃をかわせばいいんだ。

僕は帽子の中からあるものを二人分取り出す。

「僕が合図したらかぶるんだ。」

僕はスピネルにひとつ手渡した。

「・・・わかった。」

 

奴は火炎放射を吐いてきた。

触手で直接攻撃するより、

遠距離攻撃をしたほうが安全だと踏んだのだろう。

 

「スピネル、今・・・ゴホッ」

言葉は最後まで言えなかったが意思は伝わった。

スピネルは「それ」をかぶった。

僕もそれをかぶった。

 

『スケスケぼうし』

 

その瞬間僕たちは透明になり姿を消した。

火炎放射は僕たちの体をすり抜けてしまった。

 

『スケスケぼうし』は透明になり敵の攻撃をすり抜ける力がある。

ただし、こちらからの攻撃もすり抜ける。

そして継続時間が決まっていて、それを過ぎると帽子は消滅してしまう。

つまり緊急回避用だ。

その場しのぎに過ぎない。

 

相手を見失いプロミネンスは頭部を右往左往している。

スピネルが僕のいる位置から少しずれた位置に向かって声をかけた。

スピネルに僕の姿は見えていない。

その逆もしかり。

 

「・・・とりあえず攻撃はかわせたね・・・ケホッ。」

「これから・・・どうしよっか・・・。」

さすがにこれで僕の案は打ち止めだ。

効果が切れないうちにどうにかしなければ先は無い。

 

姿の見えないスピネルに言葉を投げかける。

「スピネル、希望は・・・捨てない方がいい。

割と奇跡は・・・起こる。

自分で・・・気づくにしろ気づかないに・・・しろ、だ。」

 

「・・・何を言って・・・いるの?

わたしにはとって・・・あなたが・・・」

その言葉が放たれた瞬間僕たちの姿があらわになった。

 

スピネルは笑っていた。

さっきのように絶望に笑っているのではなく、

僕の言葉を信じて笑っている。

「・・・じゃあ、待ちましょ。」

僕は静かに頷く。

プロミネンスが元気よく吼えた。

 

さて、どうなるか。

 

奇跡は起こるのか。

 

それとも僕たちは消し炭になるのだろうか。

 

 

 

『ゆきやこんこん』

 

 

 

やっぱり、そうだよな。

この世界は優しい。

 

誰かがトンネルの奥からキラーのように飛び出し、

アイテムによる猛吹雪をプロミネンスに与えた。

プロミネンスは突然の出来事に、

触手によるガードもできず吹雪を全身に浴びた。

炎の鎧が剥がれ、本体があらわになる。

 

「ルーニャ・・・おそいぞ・・・がはッ、ごほッ。」

「・・・信じた甲斐があった・・・。ケホッ。」

 

ルーニャは僕たちとプロミネンスの間で

仁王立ちをして奴を睨み付けた。

ルイージ、スピネル、無事かにゃ?」

彼女はそのままの姿勢で背後の僕たちに語りかけた。

「なんとか・・・ゴホッ・・・ね。」

 

後ろから何かが羽ばたく音が近づいてきた。

 

ルイージさん、私の背中にお乗りください!」

「手紙の配達・・・ではなさそうだね。」

パレッタだ。

こんなところで会うとは想像もしていなかった。

「スピネル、僕の背中に・・・。」

スピネルは黒いリスの姿になり僕の背中につかまった。

「パレッタ・・・二人・・・運べるか?」

僕の問いにパレッタは

「普段から沢山の人の思いを運んでいるんです。

人の一人や二人楽勝です!」

 

プロミネンスの炎が再燃した。

 

「早くお乗りください!」

僕は指示に従いパレッタのコウラに乗る。

・・・つかみ辛いな。

「ルーニャさん!

準備できました!」

「わかったにゃ。

できるだけ早くここから連れ出すにゃ!」

 

パレッタは僕たちを乗せて最深部の出入り口であるトンネルを潜りぬけ、

正確に通路を飛行している。

ルーニャもそれに続く。

二人乗せていても相当な速さを誇るパレッタに、

息も切らさず隣にくっついている。

 

ふと後ろを見ると見たくないものが写っていた。

プロミネンスが追ってきていた。

 

僕たちが戦ったプロミネンスは戦いのときに、

長い茎が絡まるのを恐れてあまり茎を伸ばさなかったのだろう。

 

今、通路を壊しながら向かってくるプロミネンスの姿は、猛獣か何かのようだ。

僕たちが倒した個体よりも短気で怒りっぽいのだろう。

不意打ちを繰り返したさっきのとは比べ物にならないくらい頭が悪く強暴だ。

 

あいつらにも性格があるんだなと感心していると、

いつの間にか中央の大空洞に到着した。

 

ここから一気に駆け上がる。

 

パレッタは思いっきり羽ばたき上昇する。

 

ルーニャはでっぱりから出っ張りへ華麗にジャンプして昇っていた。

 

「しつこい男は嫌われるにゃん!」

 

『フリーザー』

 

衝撃を与えると爆発し、巻き込まれた相手を凍らせるアイテムだ。

それをルーニャは下から這い登ってくるプロミネンスに投下する。

 

奴の頭に直撃し体表の火炎が消え去り、動きが鈍る。

溶岩から頭部までの距離が遠いため、

さっきほど強烈な再生能力はない。

 

奴は再生するのをあきらめ、

黒い「芯」が丸見えの状態で僕たちを追ってきた。

 

僕の頭上にはっきりと火口が見える。

 

奴は執念深くまだ追いかけてくる。

 

そしてとうとう僕たち四人は火山から飛び出し、

火口の周りに着地した。

 

よく見ると火口の周りには沢山の「猫の手」の仲間がいた。

全員攻撃アイテム持ちだ。

この一連の逃走劇は奴に仕掛けた罠だったのだ。

 

僕たちが出た瞬間一斉に攻撃アイテムを投下し、

プロミネンスに猛攻撃を浴びせる。

吹雪、雷、岩、流れ星、POWブロック、野菜壊れたハンマー毒キノコ。

攻撃の雨あられにプロミネンスの頭部は断末魔をあげて下に落ちていった。

 

 

そこまでが限界だった。

 

 

疲労がピークに達し、僕とスピネルは意識を失った。

 

 

 

ルイージの小説

To Be Continued