フールの鉛筆画ブログ

鉛筆画のイラストや絵を中心に描いています。黒髪が大好きです。時々短編小説も書きます。

ルイージの小説 16 後編 第三章 幸福の宝石

「わたしのおとうさんも、お母さんも、へんな人よ。」

 

「おとうさん?

おかあさん?」

 

初めてだ。

スピネルが自分の家族について語るなんて。

 

「普通の人が言わないようなことたくさん言うもの。

・・・でも、誰よりもわたしを愛してくれた。

誰よりも・・・誰よりも・・・、愛してくれた。

ルイージ、いつもさりげなくわたしを軽く突き放すのは、

優しさの裏返しなんでしょ。

お見通しよ。

フッ・・・フッ・・・フッ・・・。」

 

恍惚と微笑むスピネルを見ながら、

僕は無表情で言葉を放った。

 

 

「『ああ、そうだ。』なんて、僕が言うと思う?」

 

「思う。」

 

・・・。

 

・・・。

 

「・・・だってルイージ、素直だもん。」

なぜだろうか。

僕はいつの間にか涙を流していた。

 

僕は昔から泣き虫だった。

子供の頃から泣いてばかりだった。

そして泣いては兄に慰められた。

 

「ひとつ、質問していいかい?」

涙声で僕はスピネルに問いかけた。

 

 

「もし、僕が死んだら悲しんでくれるかい?」

 

 

スピネルは僕の頭に手を伸ばし、頭を撫でてくれた。

「・・・もちろん。」

スピネルはその質問の意味や理由に触れなかった。

 

「・・・指きり・・・しよ。」

スピネルの顔が輝いて見えた。

暁と黒の陰影がスピネルの顔を形作っている。

 

 

それは魅力的だった。

 

 

それは幻想的だった。

 

 

僕が本当の意味でスピネルを信頼したこと、

それがとてつもなく嬉しいらしかった。

「・・・約束を破ったら罰はなぁに?」

 

罰?

僕たちの今の思いが裏切られたとき?

罰という言葉に一瞬、

大きな影を見出さずにはいられなかった。

 

「じゃあ、僕に熱いコーヒーをおごってくれないか?」

 

もちろん、冗談、だ。

この冗談で僕の心に生じた黒い影を無理やり消した。

スピネルと僕は小指を交差し誓いの言葉を唱える。

 

「・・・ルイージ、この約束をする代わり、

わたしと一緒に眠ってくれる?

ただとなりで何もしないで添い寝して、

わたしを守ってくれる?

夜は怖くて寂しいから・・・。」

 

 

ゆ~びき~りげ~んまん

 

うっそついたら

 

コーヒーをさ~さ~げる

 

ゆ~びきった!

 

 

僕とスピネルは約束をした後、

一片の曇りも無い表情で眠りについた。

 

 

 

 

 

ウシャシャシャシャ

 

こちらシロスケ。

こっちはあらかた片付けた。

もう、奴らの中でスピネルに関して知る人間はいないだろう。

 

・・・。

 

もちろん、データは全部消去した。

バックアップも含めてね。

 

・・・。

 

そっちはなかなか手間取っているようだね。

あと少しで終わるって言ったの*****自身だよねぇ。

 

・・・。

 

謝る必要は無いよ。

ちょうど暇だったところさ。

手伝ってあげようか?

どうせ、きみ一人だとすっごく時間がかかるんだろう?

 

・・・。

 

人形はちゃんと動いたよ。

異常なし。

あれに関しては本当に感謝しているよ。

ウシャシャシャ

 

・・・。

 

ああ、わかった。

 

・・・。

 

じゃあ~ね。

*****。

 

 

 

第三章 幸福の宝石 終

 

 

ルイージの小説

To Be Continued