月下香 ~白い花園~ 上

1 少女と僕 黒い美しい髪を持つ少女だった。幼さと妖艶さが素晴らしい調和を生み出していている。 「隣に引っ越してきたルビー・アマリリスです。__さん、今後はよろしくお願いします」 純粋で真っ直ぐな紅の瞳が僕の淀んだ目を見つめている。毒矢に打たれたようにめまいがした。 「大丈夫ですか?」 僕は少女の問いに…