2013-07-19から1日間の記事一覧
雨が止んだ。 両手両足を失い、白い肌を紅が舐めていた。 麗しき黒髪は名残惜しそうに少女の顔を彩る。 焔色の光が全身を照らし、 わずかに残った肌色がおぼろげに輝く。 焼け爛れた大樹に不釣り合いな猫は、 四肢をその樹にゆだね赤黒い宝石を見つめる。 草…
彼の拳を掌ではじき、こめかみに向かって足を振り上げる。 彼は背中が地面に着きそうなくらいのけぞり、 蹴りをかわすとともに体が戻る反動を利用しわたしの腹部に両手をめり込ませた。 まずわたしの肋骨がきしみ、次に内臓が悲鳴を上げ、痛みは背中を突き抜…